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トークイベントレポート
『ラフ』について語りあいました
2006年8月24日(木) スペースFS汐留(新橋) ゲスト=大谷健太郎監督
Evolution J film

ポスター 『NANA』の大ヒットも記憶に新しい大谷健太郎監督が、あだち充の同名人気コミックの映画化に挑んだプールサイドの青春ラブ・ストーリー『ラフ』。主人公の大和圭介を演じた速水もこみちと、ヒロインの二ノ宮亜美に扮した長澤まさみのW主演でも話題の作品だが、この日のトークでも、大谷監督が彼らふたりをめぐる興味深い撮影秘話をいっぱい話してくれました。


「こんなに可愛いもこみちくんは、他では見られないと思いますよ」

Q:『NANA』に続いてコミックを実写で映画化するということで、苦労も多かったのでは?
大谷:『NANA』は絵の完成度が高くて、服やアクセサリーなども細やかに描かれているマンガなのでこれは原作に忠実にやっていく方法しかないなっていうのがありました。それに対して、今回はあだち充さんのマンガに似ているかどうかはそんなに重要じゃないなと思って。そもそも主人公の大和圭介と二ノ宮亜美は、あだちワールドの普遍的なものの象徴なので、圭介的なものを速水もこみちくんから見出してきたり、二ノ宮亜美の持っているものを(長澤)まさみちゃんから見つけ出すという作業でしたね。
Q:長身でカッコいい速水さんに、少し意気地なしの圭介を演じさせようと思ったのは?
大谷:彼がピュアな人だということは聞いていたんです。それで会ってみたら、すごく真面目で誠実で。本人は男としてできあがってきているところがあるんだけど、高校生を演じる上で「男の子からやり直してくれる?」ってお願いしたんです。こんなに可愛い速水もこみちくんは、なかなか他では見られないと思います。
Q:長澤さんは、『タッチ』のときとは違う彼女にすることを意識しましたか?
大谷:犬童(一心)監督は、『タッチ』を撮るときに「80年代のアイドル映画の復権を目指したい」って言われてたんですけど、僕はあくまでも人間ドラマを描きたいと思ったんです。だから、まさみちゃんやもこみちくんにもそれを伝えて。そうしたら、『タッチ』と『ラフ』には実はまさみちゃんの同じ台詞があるんですけど、彼女は僕の前で「『タッチ』のときはこういうふうに喋りました」と可愛らしく台詞を言って、「でも、今回はこういうふうに喋ります」と言ってやってくれたんですけど、全然違うんですよ。それを見て、すごく細やかに演じ分けてくれてるんだな、リアルな青春映画にすることを本人も意識してくれてるんだなって思いましたね。

『ラフ』は8月26日(土)より、
シャンテ シネほかにて公開
司会:相田冬二
文:イソガイマサト
PHOTO:星野洋介

見る人誰もを“あの日、あのとき”の自分自身に立ち会わせる
ポスター 昨年の『タッチ』に続き、再び長澤まさみ主演であだち充の名作漫画が映画化された。アイドル映画としてのみずみずしさ、青春映画ならではの息吹きは、前作以上に繊細に融合している。その、てらいのなさ。野心を抱えない無垢でひたむきな作品の肌触りは、見る人誰もを“あの日、あのとき”の自分自身に立ち会わせることになるだろう。
 男の子目線で紡がれる女の子への想い。あだち漫画の精神性をキープしながら、映像ならではのトピックは語り部たる少年に、いまをときめく速水もこみちを起用していること。競泳という勝負の世界に生きながら、全力を出し切ることの覚悟がいまひとつ決まらない、ちょっぴり意気地なしの高校生を、長身でイケメンの速水が演じる意表は、逆に映画全体に普遍を行き渡らせる。ヒロインの心を揺らすもうひとりの少年、これがまたエリートでありながら心身ともに健やかな誇り高きアスリートで、文字通りの好敵手たりえている(『大停電の夜に』の阿部力が絶品!)。
 太陽と月ほどに対照的なふたりを前にして、それぞれの“光”を浴びて輝く長澤まさみは、いよいよ映画女優としてのオーラが本物になってきた。戸惑い、不安、自信のなさ……青春期に特有の負の感情を吐き出すのではなく、ぎゅっと抱きしめるような演技がここにはある。女性映画の旗手である大谷健太郎監督のまなざしも、そここそをすくいとっている。
text:相田冬二

長澤まさみ×速水もこみち
旬なふたりが演じる不器用な恋模様
長身カップルの誕生。『ラフ』の純粋な見どころはまず、そこだ。背筋がピンと張った実にアスリート然とした長澤まさみと、速水もこみちが、不器用な恋模様を体現しているからこそ、爽やかな風が映画に吹く。雨上がりの夜道をふたりが歩くシーンをはじめ、炎天下にラムネをぐびっとやるような気持ちのいい場面が連続していく。

『ラフ』監督:大谷健太郎 出演:長澤まさみ/速水もこみち/阿部力/市川由衣/石田卓也/高橋真唯/八嶋智人/渡辺えりこ 配給:東宝 上映時間1時間46分 8月26日より、シャンテ シネほかにて公開


大谷健太郎監督
Profile
1965年生まれ。大学在学中から作品制作を始め、91年に発表した自主映画がぴあフィルムフェスティバルで3部門受賞の快挙を成し遂げ、監督デビュー。昨年は中島美嘉・宮6あおいを主演に迎えた『NANA』が大ヒットし、多くの若者に支持された。
Message
『ラフ』は、長澤まさみさん、速水もこみち君という、今最も旬なふたりの魅力が一杯に溢れる映画です。それは、日本映画で久しく見てなかったと思えるほどの、瑞々しい青春映画に仕上がりました。好きな人に「好き」だと伝える。たったそれだけのことなのに、実はとっても難しい。でも、「好き」な思いを本気で伝えたいって思った瞬間から、始まっていく物語が『ラフ』だと思います。ぜひ、そのかけがえのない瞬間を劇場で味わって下さい。
©2006「ラフ」製作委員会
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