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『しゃべれども しゃべれども』について語り合いました
2007年4月23日(月) スペースFS汐留(東京・新橋) ゲスト:平山秀幸監督
Evolution J film

 佐藤多佳子の同名小説を映画化した『しゃべれども しゃべれども』は、国分太一の演じる二つ目(真打の下の階級)の落語家が、話下手の3人の変わり者に落語を教えながら、自らも成長していく青春ストーリー。自らも落語好きという平山秀幸監督を招いたこの日のトークは、落語に詳しいお客さんの質問もあり、映画の裏話や落語にまつわる意外な真実など興味深い話がいっぱいでした。


「どうしたら落語家に見えるか?嘘にならないように心がけました」

Q:国分太一さんの落語が本当に上手かったんですけど、どのくらい練習されたんでしょうか?
平山:落語の良し悪しに関しては僕がOKを出すわけにはいかないですよね。そこで柳家三三(さんざ)師匠と古今亭菊志ん師匠のふたりに、国分くんと香里奈さんの稽古から本番まで指導していただきました。僕が三三師匠に相談したのは、噺の中身よりも、どうしたら映画の中で落語家に見えるか?ってこと。例えば高座に出てくるときの歩き方とか坐り方とかが、映像的に嘘にならないように心がけただけで、噺を覚えたのは国分太一の努力ですね。
Q:落語のシーンは通しで撮影したんですか?
平山:(演目の)「火焔太鼓」のシーンでは全体を大きく幾つかのブロックに分けて、そこからオイシイところを全部で20分ぐらい使いました。その際に、普通は助監督の合図で観客役のエキストラの方々に笑ってもらうんですけど、この映画では何もいじらず、彼の噺を聞いて素直にお客さんが笑ってくれたんです。素晴らしい高座でした。
Q:国分さんは監督のイメージ通りでしたか?
平山:国分さんは撮影前にリハーサルで2、3回お会いして、2回目からは着物で来てもらうようにお願いしたんですけど、なんとなく(演じた)三つ葉がスタッフの前にいたって感じがしましたね。
Q:ここは観て欲しいシーンなどはありますか?
平山:映画の嘘として、例えば冒頭で羽織を脱ぐ3人の落語家は3人とも映画のプロデューサーなんです。逆に三三師匠も菊志んさんも(寄席の)末広亭のシーンに出てますけど、落語家の役ではないですね。あと、落語家は左利きで高座をやらないんですよ。でも、国分さんは左利きだから無理して右手で蕎麦を食べてもらったんですけど、蕎麦って食べづらいんですよね。だから、あの蕎麦屋は「室町砂場」という名店なのに、映画ではものすごくまずそうで(笑)。それに、僕は左利きはずっとダメだと思っていたし、三三師匠もそう仰ってたんですけど、この間NHKを観てたら立川志の輔さんは思いっきり左利きで(笑)。砂場のオヤジさんに申しわけないことをしたと思っています。

『しゃべれども しゃべれども』
5月26日(土)公開 シネスイッチ銀座ほか
司会:松岡ひとみ
文:イソガイマサト
PHOTO:星野洋介

奥行きがあってみずみずしい“新しい青春映画”
 現在ブーム真っ只中の落語。その面白さ、痛快さは、たとえば宮藤官九郎脚本、長瀬智也&岡田准一主演による連続ドラマ『タイガー&ドラゴン』にも大変良く表れていました。けれども、映画『しゃべれども しゃべれども』はひとりの落語家を主人公にしながらも、落語を題材にした他の作品とは一味も二味も違います。
 口下手克服のために、ある青年落語家の下で落語を学び始めた3人。ひとりは“性格ブス”と勘違いされる美人、ひとりは転校先でなかなか馴染めない小学生、ひとりはさっぱり“使えない”野球評論家。持って生まれたキャラクターも、抱えるコンプレックスもそれぞれに違う彼らが、“即席落語教室”での体験を通して、ささやかだけれども大切な変化を遂げていきます。
 けれどもこの映画の独創性は、生きるのが不器用な人々の成長物語にあるわけではありません。“しゃべることの先生”であるはずの青年落語家自身が克服すべき困難に立ち向かっていく姿を描いていくのです。饒舌で、弱さを見せない彼のような人間にも悩みがあることを、真摯に軽やかに見つめているからこそ、格別の余韻が生まれます。
『愛を乞うひと』『レディ・ジョーカー』など多彩な筆致で知られる平山秀幸監督ならではの、奥行きがあって、みずみずしい“新しい青春映画”の魅惑に、どうぞご期待ください。
text:相田冬二

国分太一映画単独初主演
しゃべりのプロ落語家に初挑戦
TOKIOのメンバーとしてのみならず、最近では司会者としての活躍も目覚しい国分太一。映画としては堂本剛と共演した『ファンタスティポ』以来、初の単独主演となる本作では、一筋縄ではいかない屈折した青年落語家の内面を、抑制の効いた噛み応えのある演技で見事に描き出し、俳優としての力量をまざまざと見せつけます。

監督:平山秀幸 原作:佐藤多佳子 出演:国分太一/香里奈/森永悠希/松重豊/八千草薫/伊藤四朗
配給:アスミック・エース 上映時間:1時間49分 5月26日(土)より、シネスイッチ銀座ほかにて公開


平山秀幸監督
Profile
1950年、福岡県生まれ。長谷川和彦監督の『青春の殺人者』にスタッフとして参加。以降、映画の仕事を続け'90年『マリアの胃袋』で監督デビュー。'98年に『愛を乞うひと』で各映画賞を総なめにする。代表作は『学校の怪談』('95)『ターン』('01)『OUT』('02)など。
Message
落語のジャンルに三題噺があります。お題を三つ頂き、ひとつのストーリーを作り上げます。
(国分太一)(落語)(不器用な人間たち)と、三つお題を貰って『しゃべれども しゃべれども』が出来上がりました。楽しんでください。
©2007「しゃべれども しゃべれども」製作委員会
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