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「ラストシーンを思いついたときに自分がやる意味ができた気がした」
Q:原作の存在感が大きい作品で、しかも渡辺あやさんという脚本家と初めて組まれたわけですけど、その中で、自分の世界に持っていけそうだなって感じた部分はどこだったんでしょうか?
山下:今回は自分のクセを持ち込まないで、なるべく原作を忠実に映画化しようと思っていたんです。ただ、やっていくうちに、やっぱり僕がやる意味を探し出して。ラストの、(夏帆が演じるヒロインの)そよが教室に挨拶をしてカメラが一周すると……っていう、あれを思いついたときに、自分がやる意味ができたというか、これは映画でしかできないことだよなーって思ったんですよね。
Q:ひとつひとつのエピソードが並列的に描かれますが、連続性を保つためにどんな工夫を?
山下:この映画って、最終的には1人の女の子が中学を出るまでの話で、その中にいろいろなエピソードがあるんですけど、軸は恋愛に向かうまでの少女の気持ちですよね。でも、実は僕はそのことに撮影の途中まで気づいてなくて(笑)。夏のシーンの撮影のときは、僕は子供たちの分校の話だと思って撮ってるんですよ。で、夏が終わって、1ヵ月後の秋のシーンの撮影のときに、これはそよの話なんだって気づいた(笑)。だから、そこからは切り替えて夏帆に集中したんですけどね。
Q:原作があり、脚本の渡辺あやさんの厳しいチェックが入る中で、監督らしさをどのように出し、何をいちばん見せたいと思いましたか?
山下:実はラストシーンのひとつ手前に最初は卒業式のシーンがあったんです。で、あやさんはそれを絶対にやりたかったんですよ。だけど、シナリオを何回も読み直してみると、そこでひとつのクライマックスができて、その後のクライマックスの印象が薄くなってしまうような気がしたんですね。だから「卒業式のシーンは絶対になくしてくれ!」ってあやさんに言って、そこは頑なにシナリオから削ったんです。ただ、後で聞いたら、あやさんはそのときの僕が怖かったみたいなんですよね。そのとき初めて、あやさんは、僕が監督らしく見えたんじゃないかな?って思います(笑)。
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