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「今回は細かいディテールよりも印象としての80年代を目指した」
Q:ケラさんも原作の大槻ケンヂさんも80年代は青春真っ只中だったと思うんですが、回顧的にならず、今の視点から80年代を捉えてますね。
ケラ:前作の『1980』はディテールにこだわったんですけど、今回はあまり細かいことは気にせず、印象としての80年代を目指したんです。80年代の東京には80年代の東京にしかない空気が確実にあって、その空気の中にYMOがいてスネークマンショーがいた。でも、その空気を含めて格好良かったってことは言葉にできないですからね。その一方で、現代と決定的に違うのは携帯電話やパソコンがないこと。今はリサーチしてから行動に移せるけど、僕ら以前の人は当たって砕けるしかなかったんで、ドラマが生まれるんですよね。そこに大槻の原作が持っているジリジリとした感じがあって。僕だったら、あの踏み切りのシーンは絶対書かないですよ。恥ずかしいもん。良くも悪くも大槻が原作で書いているからってことで、映画にできましたね。
Q:原作と変えたところはどこですか?
ケラ:原作では山之上のジーさんというのが出てくるんですけど、それを切りましたね。
読者には人気のキャラクターなんだけど、映像化すると漫画になっちゃうので。それと現代の目線を取り入れたし、(物語を)引っ張っていく要素がもうひとつ欲しかったので、手紙を使ったある種のサスペンスを付け加えました。
Q:学生当時、周りの人たちに対して「お前らとは違う」って思ってましたか?
ケラ:思いたかったね。ただ、『スウィングガールズ』みたいに何かを成し遂げようとして成し遂げられなかった連中にすごく愛着を感じるし、僕も今はこういうところにいるけれど、本当に上手くいかないことの連続だったんです。ナゴムレコード時代も世間からの見られ方に常にズレがあったし。でも、とにかくがむしゃらにやってて、それが面白かった。逆に面白かったからがむしゃらにできたし、面白がってるうちに、いつの間にかここにいたって感じですね。
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