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『ポストマン』について語り合いました
ゲスト:長嶋一茂
2月9日(土)スペースFS汐留(東京・新橋)13:30開場〜
ゲスト:長嶋一茂(製作総指揮)
Evolution J film

 『ミスター・ルーキー』以来実に6年ぶりとなる主演映画『ポストマン』で、俳優のみならず、製作総指揮として企画を立ち上げ、ストーリーを練り、ロケハンにも同行するなど、幼いころからの夢だった映画作りに全身全霊で挑んだ長嶋一茂さん。お客さんと一緒に初めて自作を観賞した後に行われたこの日のトークでも、その熱い想いを聞くことができました。

「出資してくれた方々に1円でも多く返せたら成功と決めてスタートした」

Q:どうして郵便屋さんの映画を作ろうと?
長嶋:小学生のときに観た『ロッキー』に感化されて、そのころからずっと映画を作ってみたいと思っていたんです。で、30歳で野球を引退して芸能界に入り、4、5年前に、少し周りが見えるようになったときにその気持ちが再燃して。実はその4、5年前にも僕は映画を立ち上げようとしたんですけど、失敗しました。でも、'06年の春に知り合った郵便局員の方たちの献身的な仕事ぶりに感銘を受けて、このアナログ力を現代にメッセージとして残せないだろうか? と思い、この映画を2年かけて作ったんです。
Q:時代が変わっても変わらない大切なものを伝えたいと思われたんですね。
長嶋:そうですね。デジタル化で便利になるのはいいことだと思うけど、その分大事なことを忘れているんじゃないかな? と勝手に思っていて。異常な事件も、ヘンな人間関係が影響して起きているんじゃないかな?って感じています。そんな時代に、人間力というか、愛情や友情、そういった大切なものをもう一回思い起こせるものができたら素晴らしいと思ったんです。
Q:先ほど映画作りを一度失敗したと言われましたが、その挫折をどう乗り越えたんですか?
長嶋:挫折を乗り越えたとは思ってないけど、乗り越えようとする気持ちは自分の中にあるみたいで。この映画を作るときも、成功か失敗かをどこで見極めるのか? を最初に決めました。映画はお金がかかります。だから、今回も多くの方に出資してもらっているんですけど、自分の中では、その方々に出していただいた金額よりも1円でも多く返せたら成功と決めてスタートしたんです。僕の大好きな空手家の方が、僕が野球をやめたときに「勝負には勝ち負けがある。でも、そのステージに立とうとしない人間がいちばん弱い」と言ってくださったんです。自分のこれまでの人生は負けてばっかりだったけど、その方のアドバイスのおかけで、負けても勝負し続けたいと思うようになりましたね。

3月22日(土)より、東劇ほかにて公開 司会:相田冬二
文:イソガイマサト
PHOTO:星野洋介

父娘のドラマを軸に手紙をめぐるさまざまなエピソードが展開
 手から手へ。手紙は、その名が示すように、「手渡される」メディアです。それはメディアというより、「伝達手段」と呼ぶほうがしっくりきます。コミュニケーションツールではなく、人と人との関係性を紡ぐ「絆」のひとつのあり方なのです。
 ケータイやパソコンによるメールが一般化されている現在ほど、手紙の独自性を発揮できる時代はないかもしれません。もちろんメールにも心はこもります。ただ、肉筆でしたためた手紙からは、確かなぬくもり、その人自身の人間性がダイレクトに、優しく、真っ直ぐに伝わってきます。
『ポストマン』はタイトル通り、郵便配達員が主人公の映画。自転車配達に意固地にこだわる、昔気質のこの“郵便屋さん”は2年前妻に先立たれ、娘と息子を男手ひとつで懸命に育ててきました。しかし一本気な姿勢が災いして、受験を控え多感な時期を送る娘とはギクシャクしっぱなし。思うように気持ちを通い合わせられない父娘を軸に、手紙をめぐる様々なドラマが繰り広げられます。
 監督は、ドラマ・ファンの間で「伝説」として語り継がれる名作『イグアナの娘』を手がけた今井和久。心と心を結ぶ手紙のようにシンプルで、すがすがしい一編に仕上げています。
 どこか素直に自分をさらけ出すことが必要な手紙は、書くことに勇気を必要とします。でも、本作を観終えたとき、私たちはきっと大切な誰かに手紙を書きたくなるはずです。
text:相田冬二

自ら映画主演をかって出た
長嶋一茂のハマリ役

主演映画は『ミスター・ルーキー』以来となる長嶋一茂。自ら製作総指揮まで手がけた入魂の本作では、愚直で一本気な田舎町の郵便配達員を伸びやかに演じて深い印象を残します。とりわけ“バタンコ”と呼ばれる配達用自転車を懸命に駆り走る姿は、力強く爽快。主人公の娘に扮した『幸福な食卓』の北乃きいの妙演も見ものです。


監督:今井和久 製作総指揮・出演:長嶋一茂 出演:北乃きい/原 沙知絵/田山涼成/菊池隆則/遠藤久美子
配給:ザナドゥー 上映時間:1時間51分 3月22日(土)より、東劇ほかにて公開



製作総指揮:長嶋一茂
Profile '66年、東京都出身。“ミスター”こと長嶋茂雄の長男として生まれ、'88年にプロ野球選手に。'96年の引退後は、K‐1レポーターを皮切りにスポーツキャスターとして活躍。同時に俳優としても活動を始め、'02年の『オールドルーキー』では主演を務めた。
Message
'06年の父・長嶋茂雄写真付き切手が発売されたことがきっかけでいくつかの郵便局へ足を運び、コミュニティとしての郵便局に集う多くの方々と直接接することができました。その体験と、小学生の時に『ロッキー』を観た頃からずっと持っていた「いつか映画を作ってみたい」という想いがひとつになり、『ポストマン』が生まれました。日本人ならではの親子の情愛や悲喜こもごもを、房総半島の自然を背景に描いた映画になったと自負しています。
©2008『ポストマン』製作委員会
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